庭仕事中に激痛!私がアシナガバチに刺された日
夏の終わりのよく晴れた午後、私はいつものように庭の生い茂った雑草を抜いていました。夢中で作業に没頭していた、その時です。右手の甲に、まるで熱した鉄の棒を押し付けられたかのような、衝撃的な激痛が走りました。思わず「痛っ!」と叫んで手を見ると、そこには一匹のアシナガバチがとまっており、慌てて飛び去っていくところでした。やられた、と思いました。痛みはズキン、ズキンと脈打つように強くなり、刺された箇所を中心にみるみる赤く腫れ上がっていきます。まるでグローブをはめたかのように、手の甲全体がパンパンに膨れ上がりました。私はパニックになりかけましたが、以前テレビで見た蜂刺されの対処法を必死で思い出しました。まずは毒を絞り出すこと。刺された場所を指で強くつまみ、流水で洗い流しました。ポイズンリムーバーがあれば良かったのですが、あいにく持ち合わせていません。次に、冷やすこと。冷凍庫から保冷剤を取り出し、タオルにくるんで患部に当て続けました。冷たい感覚が、焼けつくような痛みを少しだけ和らげてくれます。その日は一晩中、ズキズキとした痛みで何度も目が覚めました。翌日、皮膚科を受診し、ステロイド軟膏を処方してもらいました。腫れが完全に引くまでには一週間近くかかり、痒みはさらにその後も続きました。後から確認すると、私が雑草を抜いていたすぐそばの植木の枝に、こぶし大のアシナガバチの巣ができていたのです。気づかずに巣を揺らしてしまったのでしょう。この一件以来、私は庭仕事をする際には必ず周囲をよく確認し、蜂がいないかを確かめるようになりました。あの激痛は、自然の中で活動する際の注意深さの大切さを、私の体に刻み込んでくれた、忘れられない教訓となりました。