蚊柱などを作って大量発生するユスリカは、見た目の不快感だけでなく、実はアレルギーの原因にもなることが知られています。ユスリカアレルギーは、主にユスリカの死骸やフンが乾燥して微細な粒子となり、空気中に浮遊したものを吸い込むことによって引き起こされます。症状としては、気管支喘息の発作、アレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)、アレルギー性結膜炎(目のかゆみ、充血)などが挙げられます。特に喘息の患者さんにとっては、ユスリカの大量発生時期に症状が悪化するケースがあり、注意が必要です。原因となるアレルゲンは、ユスリカの体液中に含まれるタンパク質(ヘモグロビンなど)です。ユスリカの成虫の寿命は短く、大量に発生した後は、その死骸も大量に生じます。これが風化して粉々になり、ホコリと共に家の中にも侵入してくるのです。特に、湖沼や河川の近くなど、ユスリカの発生源に近い地域に住んでいる場合、アレルギーのリスクは高まります。ユスリカアレルギーの対策としては、まずアレルゲンとの接触を避けることが基本です。ユスリカの発生が多い時期には、窓を開けっ放しにしない、外出時にはマスクを着用する、帰宅時には衣服についた粒子を払い落とす、といったことが有効です。室内環境の管理も重要です。こまめな掃除機がけで、床や家具に付着したアレルゲンを除去しましょう。空気清浄機を使用することも、空気中のアレルゲン粒子を減らすのに役立ちます。そして、根本的な対策として重要になるのが、ユスリカ自体の数を減らす「駆除」です。家の周りの水たまりをなくすなどの発生源対策や、成虫の家への侵入を防ぐ対策(網戸の管理、隙間の封鎖)、光に集まる習性を利用した照明の工夫、必要に応じた殺虫剤の使用などが挙げられます。これらの駆除・予防策を徹底することで、アレルゲンの量を減らし、アレルギー症状の発症や悪化を抑制することが期待できます。もし、ユスリカの発生時期にアレルギー症状が悪化するような場合は、医療機関を受診し、アレルギー検査を受けて原因を特定することも考慮しましょう。適切な診断と対策によって、症状をコントロールすることが可能です。
ユスリカアレルギー?原因と駆除による対策