キセルガイが庭や家の周りで発生する場合、そこには彼らにとって好ましい環境条件が整っていると考えられます。どのような場所が発生しやすいのか、その特徴を知ることは、効果的な予防や駆除対策を立てる上で非常に重要です。キセルガイ対策の第一歩として、まずは発生源となりやすい場所をチェックしてみましょう。最も重要な条件は「湿気」です。キセルガイは陸生の巻貝であり、乾燥に非常に弱いため、常に湿度の高い場所を好みます。庭であれば、日陰になっている場所、水はけの悪い場所、常に地面が湿っているような場所は要注意です。例えば、家の北側や、大きな樹木の下、密集した植え込みの根元などは、湿度が高くなりやすい傾向があります。次に重要なのが「隠れ家」の存在です。彼らは昼間や乾燥している時間帯は、外敵や乾燥から身を守るために物陰に隠れています。庭石の下、植木鉢やプランターの底、ブロック塀や石垣の隙間、積み重ねたレンガや木材の間、落ち葉や枯れ草が厚く積もった場所などは、絶好の隠れ家となります。このような場所が多い庭は、キセルガイにとって棲みやすい環境と言えるでしょう。さらに、「餌」の存在も発生を助長します。キセルガイの主食はコケや地衣類、菌類などです。そのため、石垣やブロック塀、庭石などにコケが生えている場合や、落ち葉が腐葉土化して菌類が発生しているような場所は、餌場としても魅力的です。また、餌が少ない環境では、柔らかい植物質も食べるため、手入れの行き届いていない雑草が多い場所なども発生源となりえます。これらの条件、つまり「湿気」「隠れ家」「餌」が揃っている場所が、キセルガイの発生しやすいホットスポットとなります。庭の手入れをする際には、これらの場所を意識的にチェックし、環境改善に努めることが、キセルガイの発生を抑制する鍵となります。