ここでは、布団の虫を効果的に退治するための具体的な手順をご紹介します。まずステップ1は、「現状把握と準備」です。どのような虫による被害なのか(かゆみの有無、糞や死骸の確認など)、被害の範囲はどの程度かを確認します。そして、駆除作業に必要なもの、例えば掃除機(布団用ノズルがあれば尚良し)、布団乾燥機、洗濯ネット、殺虫剤(必要な場合)、マスク、手袋などを準備します。作業スペースを確保し、換気を行いましょう。ステップ2は、「寝具カバー類の洗濯と熱処理」です。シーツ、枕カバー、布団カバーなど、取り外せる布製品はすべて外し、洗濯します。可能であれば60℃以上のお湯で洗濯するか、洗濯後に高温設定の乾燥機にかけることで、ダニやトコジラミの卵などを死滅させることができます。乾燥機がない場合は、洗濯後にアイロンをかけるのも効果的です。ステップ3は、「布団本体への熱処理」です。ダニは熱に弱く、50℃で20〜30分、60℃では一瞬で死滅すると言われています。布団乾燥機を使用し、布団全体が十分に高温になるように時間をかけて運転します。特に、温度が上がりきらない端の部分なども念入りに行いましょう。天日干しも有効ですが、布団内部の温度を十分に上げるのは難しく、ダニを完全に死滅させる効果は限定的です。乾燥効果と表面のダニを減らす効果は期待できます。ステップ4は、「掃除機による吸引」です。熱処理によって死滅したダニの死骸や糞、生き残ったダニ、ホコリなどを徹底的に吸い取ります。布団の表面を1平方メートルあたり20秒以上かけるのを目安に、ゆっくりと丁寧に掃除機をかけましょう。縫い目やキルティングの凹凸部分も念入りに行います。マットレスやベッドパッドも同様に掃除機をかけます。ステップ5は、「必要に応じた殺虫剤の使用」です。ダニ対策であれば、ここまでのステップでかなり効果がありますが、トコジラミなどの場合は、市販の専用殺虫剤(くん煙剤やスプレータイプ)の使用が必要になることがあります。ただし、使用方法や注意点をよく読み、用法用量を守ることが絶対条件です。薬剤が布団に直接かからないように注意し、使用後は十分に換気しましょう。