あれは確か、去年の梅雨時のことでした。いつものように朝食の準備をしようとキッチンに立った私。ふと、シンクの周りに黒くて小さな点が動いているのに気づいたのです。最初はゴミか何かだと思って気に留めなかったのですが、よく見るとそれは紛れもなく虫でした。体長はわずか1ミリか2ミリほど。黒くて、動きはそれほど素早くありません。一匹、二匹…いや、もっといる!シンク周りだけでなく、壁際やコンロの近くにもちらほらと。その瞬間、全身に鳥肌が立ちました。どこから湧いてきたのか、全く見当もつきません。とりあえず、ティッシュで捕まえようとしましたが、小さい上に数も多くてキリがない。仕方なく、キッチン用のアルコールスプレーを吹きかけ、ペーパータオルで拭き取りました。しかし、翌日になるとまた同じ場所に数匹の黒い小さい虫が。これは根本的に対策しなければダメだと悟りました。インターネットで「キッチン 黒い小さい虫」と検索すると、チャタテムシやトビムシ、あるいは食品害虫の可能性などが考えられるとのこと。原因は湿気やホコリ、食品カスなど。思い当たる節は…ありました。梅雨で湿度が高かったこと、シンク下の収納が少し整理されていなかったこと、そして前日にこぼした小麦粉を完全に拭き取れていなかったこと。まず、徹底的な掃除から始めました。シンク周りはもちろん、コンロ周りの油汚れ、換気扇、そして問題のシンク下の収納も全て物を出し、隅々まで拭き上げました。小麦粉や乾物などの食品類は、すべて密閉容器に移し替え。ゴミ箱も丸洗いし、生ゴミはすぐに捨てるようにしました。湿気対策として、換気をこまめに行い、シンク下には除湿剤を設置。さらに、侵入経路かもしれないと思い、窓のサッシや換気扇周りの隙間がないかもチェックしました。これらの対策を始めて数日後。あれほど悩まされた黒い小さい虫の姿は、キッチンからすっかり消えていました。あの時の不快感と不安感は忘れられませんが、同時に、日々の掃除と整理整頓、食品管理がいかに大切かを痛感した出来事でした。今でも、キッチンを清潔に保つこと、湿気を溜めないことを常に意識しています。あの一件以来、我が家のキッチンに謎の黒い小さい虫が現れることはありません。
謎の黒い小さい虫キッチンでの格闘記