家の中で湿気虫を発見してしまった場合、さらなる繁殖を防ぐためには、迅速かつ適切な駆除が必要です。湿気虫の種類や発生場所、数によって効果的な方法は異なりますが、いくつかの基本的な駆除術を知っておきましょう。まず、発生数が少ない初期段階であれば、物理的な方法での駆除が有効です。掃除機で吸い取るのが最も手軽で確実な方法の一つです。壁や床、家具の隙間などにいる虫を直接吸い取ります。ただし、吸い取った後は、掃除機内部で虫が繁殖しないよう、紙パックの場合はすぐに密閉して捨てる、サイクロン式の場合はダストカップ内のゴミをすぐに処分し、可能であれば内部を洗浄するなど、後処理を忘れずに行いましょう。粘着テープや粘着ローラー(コロコロ)を使って、壁などに付着している虫を取り除く方法もあります。虫を潰さずに捕獲できるため、体液などが付着する心配が少ないのが利点です。大量に発生してしまった場合や、広範囲に広がっている場合は、殺虫剤の使用を検討します。湿気虫に効果のあるエアゾールタイプの殺虫スプレーを、虫が潜んでいそうな場所や発生源と思われる箇所に噴霧します。ただし、使用する際は製品の注意書きをよく読み、換気を十分に行い、食品や食器、ペットなどに薬剤がかからないよう注意が必要です。くん煙剤やくん蒸剤(いわゆるバルサンなど)も、部屋全体の虫を一網打尽にするのに効果的です。しかし、使用前には家具や家電をカバーしたり、火災報知器が反応しないようにしたりと、事前の準備が必要です。また、使用中や使用後は室内に人が立ち入れないため、時間的な制約も考慮しなければなりません。薬剤を使用したくない場合や、赤ちゃんやペットがいる家庭では、天然成分由来の殺虫・忌避スプレー(ハッカ油、ヒバ油など)を使用する方法もあります。ただし、化学合成殺虫剤ほどの即効性や持続性は期待できない場合があります。駆除と同時に最も重要なのは、再発防止策です。湿気の原因を取り除き、換気や除湿を徹底すること。そして、虫の餌となるカビやホコリを掃除で除去すること。これらを怠ると、いくら駆除しても再び発生してしまいます。根本的な原因解決とセットで駆除を行うことが、湿気虫対策の鍵となります。