我が家がユスリカの恐怖に見舞われたのは、三年ほど前の夏のことでした。家のすぐ近くに小さな川が流れており、例年多少は虫が飛んでいるな、という程度だったのですが、その年は異常でした。夕方になると、窓という窓、玄関灯、ありとあらゆる光に、まるで黒い雲のようにユスリカの大群が群がってきたのです。窓を開けることなど到底できず、換気もままなりません。洗濯物を外に干せば、取り込むときには無数のユスリカが付着していて、はたき落とすのに一苦労。玄関を開ける一瞬にも、数匹が家の中に侵入してきて、壁や天井で蠢いているのを見ると、気が滅入りました。最初は市販の殺虫スプレーを窓の外から吹き付けてみましたが、数が多すぎて焼け石に水。一瞬はいなくなっても、すぐに次の集団が押し寄せてきます。次に試したのは、玄関灯を虫が寄りにくいとされるLED電球に変えることでした。確かに以前よりは集まる数が減ったような気はしましたが、それでも完全になくなるわけではありません。隣家の明るい窓には相変わらず大群が群がっており、そちらから流れてくるのか、我が家の壁にもびっしりと止まっていました。途方に暮れていた時、インターネットで「ユスリカ 駆除」と検索し、いくつかの対策法を見つけました。その中で試してみたのが、窓ガラス用の防虫スプレーと、玄関先に吊るすタイプの虫除け剤です。窓ガラス用スプレーは、事前に吹き付けておくことで虫が止まりにくくなるというもので、確かに窓に付着する数は減りました。吊るすタイプの虫除けは、気休め程度かもしれませんが、やらないよりはマシだろうという思いでした。さらに、家の中への侵入を防ぐため、網戸の隙間を徹底的にチェックし、隙間テープで補修しました。それでも侵入してくるユスリカに対しては、粘着式の虫取りシートを照明の近くに設置しました。これらの対策を複合的に行った結果、完全にゼロにはなりませんでしたが、以前のような悪夢のような状況からは脱することができました。ユスリカとの戦いは、一つの対策だけでは不十分で、根気強く様々な方法を組み合わせることが重要だと痛感した夏でした。
あの夏ユスリカ大群との格闘駆除体験記