築20年になる木造住宅に住むBさん夫妻は、ある日、玄関の框(かまち)に不自然な土の塊が付着しているのを発見しました。最初は泥汚れかと思いましたが、よく見ると筋状になっており、インターネットで調べたところ、シロアリが作る「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるものに酷似していました。不安になった夫妻は、すぐにシロアリ駆除を専門とする害虫駆除業者に連絡を取り、床下調査を依頼しました。調査の結果、床下の束柱(つかばしら)や土台の一部にシロアリによる食害が確認されました。幸い、被害は初期段階で、建物の強度に深刻な影響が出るほどではありませんでしたが、放置すれば被害が拡大するのは明らかでした。業者は、被害状況の写真を見せながら、シロアリの種類(ヤマトシロアリと同定)、被害範囲、そして推奨される駆除方法について丁寧に説明しました。駆除方法としては、床下の木部への薬剤注入と土壌への薬剤散布を組み合わせる「バリア工法」が提案されました。費用は決して安くはありませんでしたが、5年間の保証が付いていること、そして何より家を守るためには必要な投資だと判断し、契約することにしました。作業当日、作業員は床下に潜り、専用の機材を使って被害箇所やその周辺の木材にドリルで小さな穴を開け、そこから薬剤を注入していきました。さらに、建物周囲の土壌にも薬剤を散布し、シロアリが新たに侵入してくるのを防ぐバリアを形成しました。作業時間は半日ほどで終了し、作業後の清掃も丁寧に行われました。作業後は、定期的な点検の案内とともに、保証書が発行されました。Bさん夫妻は、早期に専門業者に相談したことで、被害を最小限に食い止めることができたと安堵しています。この事例のように、シロアリ被害は発見が遅れると甚大な損害に繋がる可能性があります。普段から床下の換気や点検を心がけ、異変を感じたらすぐに専門の害虫駆除業者に相談することが重要です。