都内近郊に暮らす田中さん一家(仮名)は、築年数の経過した集合住宅に住んでおり、長年ゴキブリの発生に悩まされていました。特に湿気の多い夏場になると、夜中にキッチンで遭遇する頻度が増え、家族全員がストレスを感じていました。市販の殺虫剤や粘着シートなど、様々な対策を試みましたが、一時的な効果はあっても、根本的な解決には至りませんでした。「もう引っ越すしかないのか」と諦めかけていた時、田中さんの妻がインターネットでホウ酸団子の存在を知りました。最初は「手作りで本当に効果があるのだろうか」と半信半疑でしたが、他に有効な手段も見当たらず、藁にもすがる思いで試してみることにしました。週末、夫婦で協力してホウ酸団子作りに取り組みました。薬局でホウ酸を購入し、玉ねぎをすりおろし、小麦粉や砂糖と混ぜ合わせる作業は、思ったよりも簡単でした。ただし、ホウ酸の取り扱いには細心の注意を払い、子供が近づかないように気を配りました。完成した団子を乾燥させ、ゴキブリが出没しやすいキッチンのシンク下、冷蔵庫の裏、洗面台の下、そして押し入れの隅などに設置しました。特に、以前ゴキブリをよく見かけた場所に重点的に置きました。設置して数日が経過した頃、キッチンで弱ったゴキブリを数匹発見しました。ホウ酸団子を食べたゴキブリが、巣に戻って死に、その死骸を仲間が食べることで、連鎖的に駆除効果が広がると言われています。さらに数週間が経過すると、あれほど頻繁に見かけていたゴキブリの姿を、ほとんど見かけなくなったのです。夜中にキッチンへ行く際の恐怖心も薄れ、家族はようやく安心して生活できるようになりました。田中さん一家は、手作りのホウ酸団子がこれほどの効果を発揮するとは想像していなかったと語ります。費用も安く済み、環境への負荷も比較的小さいこの方法に、大きな満足感を得ています。現在では、予防策として定期的にホウ酸団子を作り、設置し続けているそうです。
ある家庭のホウ酸団子によるゴキブリ駆除成功譚