それはブユ?似ている虫との見分け方

野外で虫に刺されたり咬まれたりした際、「これは何の虫だろう?」と疑問に思うことがあります。特に、症状が強く出るブユと、他の吸血昆虫との違いを知っておくことは、適切な対処や予防策を考える上で役立ちます。ブユとよく間違えられやすい代表的な虫は、蚊、アブ、そしてヌカカです。まず、最も身近な蚊との違いですが、ブユは体長2~5ミリメートルと小さく、黒っぽくずんぐりした体型をしています。一方、蚊はより細長い体型で、種類によっては縞模様などがあります。刺し口も異なり、蚊は細い針で刺すため刺し跡は小さいですが、ブユは皮膚を咬み切るため、小さな出血点ができることがあります。症状も、蚊の場合は刺されてすぐにかゆみが出ることが多いですが、ブユは時間差で激しいかゆみ、腫れ、しこりが現れ、症状が長引く傾向があります。次にアブですが、アブはブユよりも大型のものが多く、体長1センチメートルを超える種類もいます。羽音も大きく、「ブーン」という音が聞こえることが多いです。アブも皮膚を咬み切って吸血しますが、咬まれた瞬間に強い痛みを感じることがブユとの違いです。症状としては、強い腫れや痛みを伴いますが、ブユほど長くしこりが残ることは少ないようです。ヌカカは、ブユよりもさらに小さい体長1~2ミリメートル程度の微小な吸血昆虫で、網戸を通り抜けてしまうほどです。体色は黒っぽく、刺されると強いかゆみや赤い発疹が現れ、症状が数日から1週間以上続くことがあります。症状がブユと似ているため区別が難しい場合もありますが、ヌカカは非常に小さいため、刺されたことに気づきにくいという特徴があります。海岸近くや湿地に多く生息しています。これらの虫は、見た目や症状、発生場所などで区別できる場合がありますが、いずれも吸血によって不快な症状を引き起こす点では共通しています。そのため、アウトドア活動の際には、特定の虫だけでなく、これらの吸血昆虫全般に対する予防策(肌の露出を避ける、虫除け剤を使用するなど)を講じることが重要です。