キセルガイの駆除に頭を悩ませる前に、そもそも彼らが棲みつきにくい、発生しにくい庭環境を作ることを目指しましょう。日頃の庭の手入れや工夫によって、キセルガイの発生を効果的に予防することができます。いくつかのヒントをご紹介します。まず最も重要なのは、庭の「風通し」と「水はけ」を良くすることです。キセルガイは湿気を好むため、ジメジメした環境を作らないことが基本です。植木が密集しすぎている場合は、適度に剪定して風が通り抜けるようにしましょう。地面に常に水が溜まるような場所があれば、溝を掘るなどして水はけを改善します。地面の露出を減らすためにマルチング材を使う場合も、敷きすぎると逆に湿気を溜め込むことがあるので注意が必要です。次に、キセルガイの「隠れ家」を減らすことです。庭に不要な植木鉢やプランター、レンガ、木材などが放置されていませんか?これらは絶好の隠れ家になります。定期的に片付け、整理整頓を心がけましょう。庭石や置物の下も隠れ場所になりやすいので、時々動かして掃除すると良いでしょう。落ち葉や枯れ草も、厚く積もると隠れ家や湿気の温床になります。こまめに掃除し、堆肥にする場合は、キセルガイが好みそうな場所から離れたところに堆肥置き場を設けるのが賢明です。また、キセルガイの「餌」となるものを減らすことも有効です。壁や石垣に生えたコケは、定期的にブラシなどで除去しましょう。植物への食害を防ぐという意味では、特に柔らかい新芽や若葉を持つ植物の周りを重点的に管理し、キセルガイが近づきにくいようにする工夫も考えられます。例えば、植物の周りに銅板や銅線を設置すると、キセルガイを含む軟体動物は銅に触れるのを嫌がるため、侵入防止効果が期待できると言われています。木酢液や竹酢液を薄めて散布することも、忌避効果があるとされていますが、効果の持続性や植物への影響については注意が必要です。これらの対策は、キセルガイだけでなく、ナメクジや他の病害虫の予防にも繋がります。日頃から庭全体の状態に気を配り、清潔で風通しの良い、健康な庭を維持することが、結果的にキセルガイを寄せ付けない最善の策となるでしょう。
キセルガイを寄せ付けない庭づくりのヒント