虫が湧いたお米食べたくない私の決断

それは夏の暑い日のことでした。いつものようにお米を計量カップに入れようと米びつの蓋を開けた瞬間、目に飛び込んできた光景に息を呑みました。お米の表面に、黒くて小さな虫が数匹うごめいていたのです。そして、よく見るとお米の粒自体にも黒い斑点のようなものが…。コクゾウムシでした。頭が真っ白になり、同時に強い嫌悪感がこみ上げてきました。「どうしよう、このお米…まだたくさん残っているのに…」。捨てるのはもったいない、でも、この虫がいたお米を食べる気には到底なれない。その二つの気持ちの間で、私は激しく葛藤しました。インターネットで調べてみると、「虫自体は加熱すれば無害」「天日干しすれば虫は逃げる」といった情報も見つかりました。一瞬、「それなら大丈夫かも…」と思いましたが、実際に虫が這っていたお米を口に入れることを想像すると、どうしても体が拒否反応を示します。それに、虫だけでなく、その糞や、もしかしたら卵も混ざっているかもしれない。そう考えると、やはり「食べたくない」という気持ちが勝りました。私は決断しました。残念だけど、このお米は処分しよう、と。罪悪感はありましたが、無理に食べて後で後悔したり、家族にも嫌な思いをさせたりするよりはずっと良いと考えたのです。ビニール袋に米を入れ、虫が外に出ないようにしっかりと口を縛り、ゴミとして出しました。そして、空になった米びつを徹底的に洗浄し、アルコールで消毒しました。この苦い経験を通して、私はお米の保管方法を根本から見直すことにしました。まず、米びつを密閉性の高いものに買い替えました。そして、保管場所もそれまでのシンク下から、冷蔵庫の野菜室へ変更。唐辛子を入れるという昔ながらの知恵も取り入れ、さらに市販の米びつ用防虫剤も併用することにしました。一度虫が湧いてしまうと、精神的なダメージも大きいものです。「食べたくない」と感じた自分の気持ちを大切にし、その経験を糧に、二度と同じことを繰り返さないための対策をしっかりと行うこと。それが、私が学んだ教訓でした。