それは去年の梅雨時のことでした。築年数の古い我が家では、毎年この時期になると多少の湿気は覚悟していましたが、その年は様子が違いました。最初は、キッチンの隅や窓際で、ホコリのような小さな虫をたまに見かける程度でした。体長1ミリメートルほどの、白っぽいような茶色っぽいような虫です。最初は気にしていませんでしたが、ある日、しばらく開けていなかった食品庫の扉を開けた瞬間、ゾッとしました。棚に置いてあった乾物や小麦粉の袋の周りに、その小さな虫がうごめいていたのです。よく見ると、壁にもびっしりと付いています。慌ててインターネットで調べると、どうやら「チャタテムシ」という湿気虫の一種のようでした。カビや乾燥食品を餌にするとのこと。食品庫は北側にあり、換気も悪かったため、まさに彼らにとって天国のような環境だったのでしょう。ショックと同時に、なんとかしなければという思いに駆られました。まずは食品庫の中身を全て出し、虫が付いていた食品は泣く泣く処分しました。棚や壁はアルコールスプレーで丁寧に拭き上げ、徹底的に掃除しました。そして、除湿剤を置き、小型の除湿機も設置して、とにかく湿度を下げることに専念しました。それだけでは不安だったので、他の部屋も総点検。押し入れの奥や本棚の裏など、湿気がこもりやすい場所を入念に掃除し、換気を心がけました。特に、結露しやすい窓際はこまめに拭き、サーキュレーターで空気を循環させるようにしました。幸い、徹底的な対策が功を奏したのか、その後チャタテムシの姿を見ることは激減しました。しかし、あの時の光景は忘れられません。湿気対策を怠ると、こんなにも虫が発生してしまうのかと痛感しました。以来、我が家では除湿と換気が年間を通しての重要課題となっています。少しの手間を惜しまないことが、快適な住環境を守るためには不可欠なのだと、あの湿気虫騒動から学びました。
我が家の湿気虫騒動その一部始終