夏から秋にかけての野外活動では、スズメバチとの遭遇リスクが高まります。万が一刺されてしまうと、激しい痛みや腫れだけでなく、命に関わるアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるため、事前の対策と知識が非常に重要です。スズメバチの攻撃から身を守るためには、まず、スズメバチを刺激しない服装と行動を心がけることが基本となります。服装について、最も注意すべきなのは「色」です。スズメバチは黒や濃い色に対して攻撃的になる習性があります。これは、彼らの天敵であるクマの色が黒いためとも言われています。そのため、山や森へ行く際や、庭仕事をする際は、黒っぽい服装は避け、白や黄色、明るいグレーなど、できるだけ明るい色の服を選ぶようにしましょう。帽子をかぶることも有効です。黒髪はスズメバチを刺激する可能性があるため、帽子で髪を覆うことでリスクを減らすことができます。素材としては、表面がツルツルしたものよりは、けばだった素材の方が蜂がとまりにくいとされていますが、まずは色を優先して選ぶのが良いでしょう。長袖、長ズボンを着用し、肌の露出をできるだけ少なくすることも大切です。次に「匂い」にも注意が必要です。香水やヘアスプレー、匂いの強い化粧品、整髪料などは、スズメバチを興奮させ、引き寄せる可能性があります。野外活動の際は、これらの使用を控えるか、無香料のものを選ぶようにしましょう。汗の匂いにも反応することがあると言われています。行動については、まず「巣に近づかない」ことが大前提です。スズメバチは巣を守るために攻撃してきます。巣の近くで大きな音を立てたり、振動を与えたりする行為は絶対に避けましょう。もし、スズメバチが周囲を飛び回るなど、威嚇行動が見られた場合は、パニックにならず、静かにその場を離れることが重要です。手で払いのけたり、急に走り出したりすると、かえって攻撃を誘発してしまいます。姿勢を低くして、ゆっくりと後ずさりするように移動しましょう。万が一刺されてしまった場合は、すぐにその場から離れ、安全な場所で応急処置を行います。傷口を流水で洗い流し、毒を絞り出すようにしながら冷やします。抗ヒスタミン軟膏などがあれば塗布し、気分が悪くなったり、息苦しさなどを感じたりした場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるので、迷わず救急車を要請してください。
スズメバチの攻撃から身を守る服装と行動