ブユの被害を未然に防ぐためには、しっかりとした予防策を講じることが不可欠です。特にブユが多く生息する渓流や高原、キャンプ場などへ出かける際には、以下の点に注意しましょう。最も基本的な対策は、肌の露出をできるだけ避けることです。長袖、長ズボンを着用し、生地の目が詰まったものを選ぶとより効果的です。ブユは足首や手首、首元などを好んで狙うため、裾や袖口から侵入されないよう、ズボンの裾を靴下に入れる、袖口が締まった服を選ぶなどの工夫も有効です。首元はタオルやネックゲイターなどで保護しましょう。帽子も忘れずに着用してください。衣服の色については、暗い色よりも明るい色の方が虫を寄せ付けにくいという説もありますが、ブユに関してはその効果は限定的とも言われています。それよりも、確実に肌を覆うことを優先しましょう。次に重要なのが、虫除け剤の活用です。ブユに対して有効な成分としては、「ディート」や「イカリジン」が挙げられます。これらの成分を含む虫除けスプレーやローションなどを、露出している肌や衣服にムラなく塗布します。汗をかいたり、水に濡れたりすると効果が薄れるため、数時間おきにこまめに塗り直すことが大切です。特に足元は念入りに塗布しましょう。服の上からスプレーできるタイプのものも併用すると、より防御力を高めることができます。天然成分であるハッカ油なども一定の忌避効果が期待できますが、ディートやイカリジンに比べると効果の持続時間が短い傾向があるため、頻繁な塗り直しが必要です。また、ブユは朝夕の涼しい時間帯に活動が活発になるため、可能であればその時間帯の屋外活動を控えることも有効な対策となります。テントでキャンプをする場合は、入り口の開閉を素早く行い、内部に虫が侵入しないように注意し、蚊取り線香や電池式の虫除け器などを活用するのも良いでしょう。