家の中でゴキブリ本体に遭遇するだけでも不快ですが、その卵を見つけてしまった時の衝撃はさらに大きいかもしれません。ゴキブリの卵は、一般的に「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる、硬い殻に覆われたカプセルのような形をしています。この卵鞘の中に、複数の卵が保護されています。卵鞘の見た目は、ゴキブリの種類によって異なりますが、日本でよく見かけるクロゴキブリやチャバネゴキブリの場合、小豆を一回り大きくしたような形や、がま口財布のような形をしていることが多いです。色は黒褐色や赤褐色で、表面にはいくつかの筋が見られることもあります。大きさは種類にもよりますが、おおよそ5ミリメートルから1センチメートル程度です。一つの卵鞘の中には、クロゴキブリで20個前後、チャバネゴキブリでは30個から40個もの卵が入っており、これが孵化すると一気に子ゴキブリが大量発生することになります。ゴキブリは、この大切な卵鞘を外敵や乾燥から守るため、安全で目立たない場所に産み付ける習性があります。具体的には、暖かく、湿気があり、暗くて狭い場所が好まれます。家庭内では、キッチンのシンク下やコンロ周りの隙間、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品の裏や下、食器棚や引き出しの奥、家具の裏側、押し入れの中、畳の下、壁の隙間、さらには段ボールの隙間や本の間など、普段あまり人の目が届かないような場所によく産み付けられます。特に、チャバネゴキブリは卵鞘を孵化直前までメスが腹部につけて持ち運ぶこともありますが、クロゴキブリなどは壁や物にしっかりと固定するように産み付けます。そのため、家具を動かした際や大掃除の時に、壁や床に付着した卵鞘を発見することがあります。もし、このような特徴を持つ物体を見つけたら、それはゴキブリの卵鞘である可能性が高いです。放置すれば確実に大量発生に繋がるため、見つけ次第、適切に対処する必要があります。
ゴキブリの卵発見その特徴と見つけ方