それは忘れもしない、去年の夏の終わりのことでした。庭木の剪定をしようと脚立に登った瞬間、ブンブンという不気味な羽音と共に、数匹の大きな蜂が私の周りを威嚇するように飛び回り始めたのです。慌てて脚立から飛び降り、家の中に逃げ込みました。心臓はバクバクと音を立て、冷や汗が止まりません。窓から恐る恐る庭の様子をうかがうと、剪定しようとしていた木の枝の茂みの中に、バレーボールほどの大きさになった、あの特徴的な縞模様の巣が見えました。スズメバチの巣です。まさか自分の家の庭に、こんなに大きな巣が作られていたなんて、全く気づきませんでした。恐怖と同時に、どうしようという焦りがこみ上げてきました。このまま放置するわけにはいきません。しかし、自分で駆除するなんて、考えただけでも恐ろしい。インターネットで「スズメバチ 巣 駆除」と検索し、情報を集めました。やはり素人が手を出すのは非常に危険で、専門業者に依頼するのが最善の方法だと分かりました。すぐに地域の害虫駆除業者を数社探し、電話で状況を説明して見積もりを取りました。業者によって料金や対応時間に差がありましたが、一番迅速に対応してくれそうで、説明も丁寧だった業者にお願いすることにしました。翌日の夕方、完全防護服に身を包んだ駆除業者の方が到着しました。作業は日没後、蜂の活動が鈍る時間帯に行うとのこと。私たちは家の中から固唾を飲んで見守りました。業者の方は手際よく巣に薬剤を注入し、慎重に巣を撤去していきます。作業中、巣から飛び出してくる蜂もいましたが、手慣れた様子で対処していました。一時間ほどで作業は無事終了。撤去された巣の大きさと、その中にいたであろう蜂の数を想像して、改めてぞっとしました。業者の方からは、巣が作られやすい場所や初期の巣の見分け方、予防策なども教えていただき、大変参考になりました。費用は決して安くはありませんでしたが、安全と安心には代えられません。あの日の恐怖は今でも鮮明ですが、プロにお願いして本当に良かったと心から思っています。
我が家の庭にスズメバチの巣ができた日